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ブドウ糖投与とリフィーディング症候群の関係!現場で糖尿病歴のない傷病者への補正は注意!

CPA・ショック
この記事のまとめ
  • 低栄養状態,長期に渡り栄養摂取不良が続いた状態で,急激に栄養摂取することで発症。
  • 急激な糖質補正を行うことで、低カリウム血症、低マグネシウム血症が増悪し致死的不整脈が発生。
  • 糖質代謝が亢進することで、リンの需要も増大し酸素運搬能力が低下。
  • 糖尿病歴のない傷病者に対してのブドウ糖投与はリフィーディングを念頭に活動。
EMT
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意識障害あり!血糖値50mg/dl未満!

EMT
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では、プロトコルに従って“ブドウ糖投与”しましょう!

EMT
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“ブドウ糖投与”後、血圧が低下!ショックの対応します!

皆さんはブドウ糖投与後にショックに陥った症例を経験したことはありますか?

これは「リフィーディング症候群」という病態で、飢餓状態の人に急に栄養補急をすると発症します。

今回は上記症状の解説と救急救命士の対応についてまとめました。

リフィーディング症候群(Refeeding症候群)とは?

リフィーディング症候群(Refeeding症候群)
  • 低栄養状態,長期に渡り栄養摂取不良が続いた状態で,急激に栄養摂取することで発症
  • 急激な糖質補正を行うことで、低カリウム血症、低マグネシウム血症が増悪し致死的不整脈が発生。

リフィーディング症候群とは低栄養状態,長期に渡り栄養摂取不良が続いた状態で,急激に栄養摂取することで発症します。

低栄養状態の体は糖が不足しているだけでなく,電解質異常もともなっています。

この時、糖質代謝からケトン体を中心とした脂質代謝に移行。

この状態で急激な糖質補正を行うことで、脂質代謝→糖質代謝に変わり、解糖系が働きインスリン分泌が刺激されます。

カリウム・マグネシウムが急激に細胞内に取り込まれ、元来認めていた低カリウム血症、低マグネシウム血症が増悪し致死的不整脈が発生。

糖質代謝が亢進することで、リンの需要も増大し細胞内へリン取り込まれ、細胞外液中のリンも消費され低リン血症に陥ります。

すると、体の中ではヘモグロビンが酸素運搬能力が低下し、乳酸アシドーシスになります。

リフィーディング症候群(Refeeding症候群)の症状

救急隊は注意すべき理フィーディング症候群の症状は以下になります。

  • 電解質異常による致死的不整脈
  • 急性左心不全
  • 呼吸不全
  • 痙攣
  • 昏睡

上記以外にもリンが欠乏することで、「不整脈」「四肢麻痺」などの症状。

ビタミンB1枯渇による、ウェルニッケ症候群(眼性異常、運動失調、錯乱状態、低体温、昏睡)や、コルサコフ症候群(逆行性健忘、作話症)などを生じます。

リフィーディング症候群(Refeeding症候群)の高リスク患者

下記基準が1つ以上

BMI(kg/m2)が16未満
過去3〜6ヶ月で15%以上の意図しない体重減少
10日間以上の絶食
再摂取前の低カリウム血症、低リン血症、定マグネシウム血症
リフィーディング症候群(Refeeding症候群)の高リスク患者

または、下記基準が2つ以上

BMI(kg/m2)が18.5未満
過去3〜6ヶ月で10%以上の意図しない体重減少
5日間以上の絶食
アルコール依存の既往、または次の薬剤の使用歴がある
→インスリン、科学療法、制酸薬、利尿薬
リフィーディング症候群(Refeeding症候群)の高リスク患者

救急救命士の対応!

救命士の対応!
  • リフィーディング症候群で最も注意すべき病態、「致死的不整脈」「乳酸アシドーシス」。
  • 上記症状あればCPA対応可能な準備。

救急救命士の対応として、意識障害があるも糖尿病患者ではない傷病者に対しブドウ糖投与を行う場合、リフィーディング症候群を念頭に置きましょう。

リフィーディング症候群で注意すべき病態として、「致死的不整脈」「乳酸アシドーシス」があります。

上記どちらも致死的になり得りえます。

致死的不正脈に対しては通常のCPA対応を取ります。

乳酸アシドーシスも同様にCPA対応をとりますが、CPA移行までに時間的猶予があれば高流量で酸素投与、仰臥位またはショック体位での体位管理を実施。

その後、搬送先に病院に詳細な情報を伝えましょう。

主要参考・引用文献

  1. 第10版 救急救命士標準テキスト
  2. J-STAGE「心肺停止の原因としてreseeding症候群が考えられた2症例」
    [https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/46/1/46_54/_pdf/-char/ja] 2023年7月4日閲覧
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