止血とは、出血を止めることで、生命に危険が及ぶのを防ぐ応急手当の一つです。
一般人が止血を行う場合は、出血の原因や程度に応じて、適切な方法を選択する必要があります。
この記事では、一般人が止血できる方法として、直接圧迫止血法と間接圧迫止血法について詳しく解説。
また、鼻出血やガラスなどの異物による傷の場合の止血方法や注意点も紹介します。
直接圧迫止血法
直接圧迫止血法とは、出血部位をガーゼやハンカチなどで直接強く押さえて、しばらく圧迫することで止血を行う方法。
この方法が最も基本的な止血法であり、多くの出血は、この方法で止血できます。
出血部位が汚れていたら、水道水などきれいな水で洗い流します。消毒は不要です。
滅菌ガーゼなど清潔な布を出血部位に当てて、その上から手のひらで強く押さえます。
血液などを直接触ると感染のリスクがあるので、ビニールなどでてを覆い実施しよう!
ガーゼやタオルなどを出血部位に当てる際は、固く巻くことで出血効果が増します。
そのままの状態だとクッション性あり、圧迫の効果が減少。
出血が止まるまで圧迫し続け、布が染みてきたら、新しい布を重ねて当てます。
基本的に古い布は取り除かないでください。
しかし、あまりにも濡れている場合は新し物に取り替えましょう。
タオル等をめくって確認すると、かさぶたが剥がれて血が止まらないよ!
出血が止まったら、傷口を固定するために包帯やテープなどでしっかり巻きます。ただし、あまりきつく巻くと血流が悪くなるので注意してください。
間接圧迫止血法
間接圧迫止血法とは、出血部位より心臓に近い静脈(止血点)を手や指で圧迫して、血液の流れを止めて止血する方法です。
この方法は、出血が激しい場合や直接圧迫止血法では効果がない場合に用います。
ただし、この方法は神経や筋肉を損傷する危険性があるので、安全かつ適切に実施できるように十分習熟しておくことが必要です。
実施する前に、最寄りの消防で救命講習など受講しましょう。
出血部位に応じて、耳の前(顔面)、わきの下(上腕)、そけい部(大腿)のいずれかの止血点を選びます。
止血点に手や指を当てて、強く圧迫します。圧迫するときは、骨に沿って指を滑らせるようにします。
出血が止まるまで圧迫し続け、30分ごとに1~2分程度ゆるめます。
出血が止まったら、傷口を固定するために包帯やテープなどでしっかり巻きます。ただし、あまりきつく巻くと血流が悪くなるので注意してください。
出血している箇所を心臓より高く上げるのも有効だね!
鼻出血の止血方法
鼻出血の大部分は、キーセルバッハと呼ばれる部位からにります。
キーセルバッハには、血管が豊富なため出血が起こしやすくなっています。
鼻出血の止血の方法としては、座って軽く下を向き、鼻を強くつまみます。これで大部分は止まります。
このような手当で止まらない場合は、もっと深い部分からの出血を考えて、医師の診療を受けさせます。
鼻出血の際は「上を向かせる」などの方法は現在では指導していないので注意しましょう。
ガラスなどの異物による傷の止血方法
ガラスや釘、とげなどが刺さった場合は、出血だけでなく感染や神経損傷などの危険性もあります。
異物が浅く刺さっている場合は、毛抜きやピンセットで抜き、綺麗な水で洗いましょう。
異物が深く刺さっている場合は、抜かずにそのまま病院を受診してください。
抜くと出血が増えたり感染したりする恐れがあります。
異物が多量に刺さっている場合も同様に抜かずに病院受診。