- VF/VTには早期除細動を意識しましょう。
- 1回目の電気ショック後もVFが継続していれば難治性VFを判断。
- 日本光電だとスローVT(心拍180回/分未満)はVF/VTの検知ができない。
- PEAは有効な拍出はないが微量ながら循環があるため蘇生しやすい。
- PEAは心筋の状態が比較的良いときは心拍数が多くQRS幅が狭い。
- PEAは悪化すると幅広く変形したQRSの徐拍。
CPA(心配停止)の傷病者には特徴的な“4つの波形”があります。4つの波形について詳しく知る救急隊員は少ないのではないでしょうか?
むしろ、CPAだからこの波形がでるぐらいの認識ではないですか?
私も救急隊員になったばかりの時はCPA時の波形について詳しく考えたことはありませんでした。
しかし、勉強すると波形には重要なメッセージが隠されていました。そのメッセージをもとに活動方針を決定することで蘇生率が向上すると思います。
ぜひ、1度原点に立ち戻って学んでみましょう!まずはVFについての記事になります。

意外と知っているようで実はあまり知られていないんだね!CPAの時に出現する波形を理解して活動を円滑にしよう!
心室細動(VF)
引用:ナース専科
VFの重要ポイント!
- VFとは寝室の至るところで無秩序な興奮が発生し、心臓が痙攣している状態。
- VFが起こると心臓からの血流が停止し数分で意識消失。
- VFの原因の多くは心筋梗塞、うっ血性心不全、電解質異常、心筋症などの心疾患が背景にある。
- 難治性VFを疑えば早期搬送。
- 1回目の電気ショック後もVFが継続していれば難治性VFを疑う。
VFとは心室の至る所で無秩序に興奮が発生し、心臓が細かく痙攣してる状態になります。VFが継続すると心臓からの血流が途絶え、数分で意識消失し死に至る可能性が高い危険な不整脈。
心室細動が発生する多くの原因には心疾患などの病態が考えられます。心筋梗塞やうっ血性心不全、電解質異常、心筋症などが挙げられます。
また、VFには“Coarse(粗い)VF”と“Fine(細かい)VF”があります。
引用:心電図.com
VFの発生は「coarse」から始まり「fine」に移行し最後には心静止になります。

「fineVF」の際に半自動除細動器が反応せず電気ショックできないことも!
VFの最大の治療は電気ショックになります。救急隊は早期に除細動パッドを装着し波形の確認をしましょう。
難治性VF
通常、VFは除細動器によって治療されますが、難治性VFはこの治療に反応しない、または持続的に再発するVFのことを指します。
難治性VFは、心臓病、冠動脈疾患、心筋梗塞などの原因によって引き起こされることがあります。
治療法としては、抗不整脈薬の投与や心臓ペースメーカー、カテーテルアブレーション、心臓移植などがありますが、いずれにしても治療が困難であることから「難治性」VFと呼ばれています。
難治性VFの治療には、アミオダロン(抗不整脈薬)やPCPSといった治療が必要になることから、救急隊が難治性VFの遭遇した際は早期搬送を推奨します。
救急隊が難治性VFを疑うポイントとしては、1回目の電気ショック後もVFが継続していれば難治性VFを疑いましょう。
心室頻拍(VT)

VTの重要ポイント!
- 心室期外収縮が3回以上連続して発生。
- 心拍数が100〜250回/分の頻脈。
- 持続性心室頻拍、非持続性心室頻拍に分類。
- VTは、心室細動(VF)に進行する可能性があり、早急に電気ショックが必要。
- 心拍数が180回/分未満だと半自動除細動器がVF/VTの判断ができない機種がある。
- 日本光電だとVF/VTを検知する心拍数が180回/分。メドトロニックだと160回/分。
VT(心室頻拍)は、心臓の異常な電気活動によって引き起こされる心臓の異常な状態の一種で、心臓の頻拍を指します。心室頻拍は、正常な心拍数よりも速い心拍数であり、不規則な心拍とともに現れることがあります。
VTは、心臓病、冠動脈疾患、心筋梗塞などの原因によって引き起こされることがあります。また、持続する時間により持続性心室頻拍と非持続性心室頻拍に分類。
- 持続性心室頻拍:30秒以上の持続や30秒未満で血行動態破綻し、緊急にペーシングや直流通電がは必要なもの。
- 非持続性心室頻拍:30秒未満で自然停止。
症状としては、めまい、息切れ、胸痛、動悸、胸部不快感、失神などが現れることがあります。また、VTは、心室細動(VF)に進行する可能性があり、これは生命を脅かす状態であるため、早急に電気ショックが必要です。
日本光電だとVF/VTを検知する心拍数が180回/分。メドトロニックだと160回/分になります。
つまり、日本光電では心拍数が160回/分のスローVTだと電気ショックすることができません。

日本光電しか積載していない救急車は、メドトロニックを載せて置くなど対応できるよう工夫が必要だね!
単形性心室頻拍

QRS幅が広い規則的な波形が特徴。成人であればQRS幅は0.12秒以上、小児は0.08秒以上。
多形性心室頻拍(トルサード・ド・ポアンツ)

トル サードドポアンツ型と呼ばれるものはQRS様波形を有する多形性心室頻 拍で,数拍ごとに波形が変化していくのが特徴。
無脈性電気活動(PEA)

- 心拍数はあるが総頸動脈が触れないものをPEA。
- 有効な拍出はないが微量ながら循環があるため蘇生しやすい。
- 心筋の状態が比較的良いときは心拍数が多くQRS幅が狭い。
- 悪化すると幅広く変形したQRSの徐拍。
PEAとは、心停止時に心電図上で心拍数が確認できるにも関わらず、総頸動脈が触知できないものを言います。
PEAが発生する原因としては、心臓自体の損傷や機能不全だけでなく、肺塞栓症、重症喘息、過剰投与による薬物中毒、低カリウム血症、酸中毒、低酸素血症などが挙げられます。
PEAを発生すると、心臓の電気的活動は存在するものの、心臓筋細胞が収縮しないため、血液は全身に送られません。

PEAは有効な拍出はないものの微量ながら循環があるため最も蘇生しやすい心停止!
心筋の状態が比較的良いときは心拍数が多くQRS幅が狭くなり、悪化すると幅広く変形したQRSの徐拍となります。
心静止(Asystole)

心静止とは、心臓が停止し、心拍数がゼロになる状態を指し、生命維持に必要な血液や酸素が全身に供給されなくなります。
心拍数が6/分以下のものはQRSがあっても心静止として扱います。
心静止にはVF/VT、PEAの時間的経過による高度な無酸素状態となり心筋の電気活動が完全に停止したものと、刺激伝導系によるものがあります。
参考資料:「救急救命士標準テキスト」
