在職中、新人の隊員とCPA事案に出るも意外と知ってないことが多いんだなと思いました。
また、中には数年在職している隊員もCPR時こうするなど知らないなど、教育が行き届いていないことが分かりました。
CPAは胸骨圧迫の質を高められるか、隊員間での連携が必須になります。
各地域のメディカルコントラールで活動の差異はあると思いますが、私の経験上このようにすると処置が楽になる、ここは勘違いしやすいなどのポイントをまとめました。
基本的な情報もまとめているのでぜひ参考にしてください。
呼吸の確認方法と心停止の判断
傷病者に反応がなく、胸腹部に動きがみられない、または死戦期呼吸の場合CPAを判断します。
医療従事者は併せて総頸動脈の触知を行います。
総頸動脈の触知は普段から触り慣れてないと不安だね!
BVM換気のポイント
CPAの現場で特に技術が必要な処置がBVMによる換気です。
一見、マスク部分を口に当ててバックを揉む動作だけですが、そこが難しいです。
苦慮する部分として、「マスクフィット」「胃膨満」があります。
今回紹介する方法を実施することで、確実かつ適切に換気できます。
まずマスクフィットは、マスク部分を口の真上から下ろし当てましょう。これでマスクフィット完了です。
その後、第3・4・5指を下顎に当て、少し後屈させ換気を実施。
換気は胸が上がる程度でしっかり下がったところで2回目の換気をします。
素早く換気をしてしまうと、肺に空気が入っているので胃に流れます。
ここで大切なことは、換気で胸部挙上し、胸が戻ってから2回目を実施すること。
※教科書にあるような開口→下顎挙上→マスクフィットに流れでもいいですが、下顎をホールドするのが大変で長時間維持するのが困難のため、上記の方法を推奨。
また、高齢の傷病者で入歯がなく頬が痩けているいる場合、マスクフィットできません。
その場合、ガーゼを2つ丸め両頬に詰めることで頬が膨らみマスクフィッとが容易になります。
質の高い胸骨圧迫とは?
質の高いBLSとは正しい位置を正しい早さ、深さで圧迫することです。
胸骨圧迫の位置は胸骨下半分。深さが5cm沈むように圧迫し、6cmを超えないとされています。
圧迫の速さは1分間に100〜120回/分で、圧迫解除時は完全に元の位置に戻し、力がかかっててはいけません。
何より大事なのが中断時間を最小にすることです。
中断時間が長いと胸骨圧迫で循環させているのに意味がなくなります。
中断時間を短くする方法として、BVMでの2回目の換気終了と同時に胸骨圧迫を開始することで、中断時間の短縮を図れます。
AED、半自動除細動器
AED、半自動除細動器は日本光電であれば1回目の電気ショックは150J。2回目以降は200Jとなっています。
一方、メドトロニックは1回目が200J、2回目が300J、3回目が360Jです。
また、日本光電のVF/VTを検知する脈拍は180回/分以上。
メドトロニックは160回/分以上となっています。
つまり、180回/分以下のVF/VTに対して、日本光電では電気ショックができないことを覚えておきましょう。
電極パッド装着位置は、基本は右前胸部と左側胸部に貼付けます。
よく、SNSでよく見かけるのが「“逆”に貼付けても大丈夫」とありますが、これは現在根拠が示されていないので実施はしないようにしましょう!
正規の位置に張れない場合は少しずれして貼付けでも効果は期待できます。
ずらせない場合の代替え手段として、“前胸壁と背部”、“心尖部と背部”に貼付けしましょう。
総頸動脈触知、レート40回/分はCPR中断?
CPR継続し、リズムチェック、またはパルスチェック時に脈拍を認めるとROSCと判断すると思います。
しかし、脈拍が40回/分未満の場合にはCPRを継続しなければなりません。
理由としては自己循環と比べて、胸骨圧迫による循環の方が優位なためです。
CPR時に脈拍を確認できても脈拍数40回/分未満であればCPRを継続しましょう。