問1
急性疾患として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 心筋梗塞
- イレウス
- 尿路結石
- 脳出血
- 心臓弁膜症
解答と解説
【解答】5
【解説】心臓弁膜症は慢性疾患(第10版 救急救命士標準テキストp167)
問2
次の原因の説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 変性の1つとして動脈硬化が挙げられる。
- 骨格筋や心筋に負荷が継続的にかかることで筋組織が肥大する。
- 化生とは長期の飢餓や、悪性腫瘍末期などの栄養不足に起因する。
- 萎縮とは正常な大きさに発達した組織、臓器が収縮することをいう。
- 再生とは組織の一部が損傷したときに、残存した細胞が元の機能に戻ろうとすることをいう。
解答と解説
【解答】3
【解説】化生とは、いったん分化し成熟した組織の一部が、慢性の刺激に対する適応反応として他の性質の組織に変化すること。(第10版 救急救命士標準テキストp171〜173)
問3
炎症の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 炎症は血管からの血漿成分が滲出することで循環障害が起こる。
- 白血球の遊走とは、白血球が損傷部位から遠ざかる現象である。
- 炎症で発赤、発熱が起こる原因は血流量が10倍に増加するためである。
- 慢性炎症では好中球などが主体となり、炎症性サイトカインなどを分泌する。
- 炎症反応は傷などをきっかけとし全身に影響を及ぼすことはない。
解答と解説
【解答】3
【解説】
- 炎症は局所の細胞障害をきっかけに、局所の循環障害→血管からの血漿成分の滲出→白血球の遊走の順である。
- 白血球の遊走とは、好中球を中心とする白血球が血管外に出て、損傷部位に向かって遊走すること。
- 設問のとおり。
- 慢性炎症では炎症反応の主体である好中球に代わって、マクロファージ、リンパ球、形質細胞が局所に浸潤し、壊死組織などの除去にかかる。
- 炎症の過程で産出されるサイトカインやその他の化学伝達物質が多くなると全身にも影響を及ぼす。
(第10版 救急救命士標準テキストp174〜176)
問4
病原体の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- ウイルスの本体はRNAとDNAの両方を有し、保護外皮で囲まれている。
- 細菌とは原核生物ともいい、核膜で明確に囲まれた核を持たない生物をいう。
- 真菌は動物の細胞には存在しない細胞壁を持つ。
- 真菌は通性嫌気性菌と偏性嫌気性菌に分けることができる。
- 寄生虫とは、別の生物の細胞を利用し、自己の複製を行う。
解答と解説
【解答】2
【解説】
- ウイルスの本体はRNAかDNAで、保護外皮で囲まれている。
- 設問のとおり。
- 細菌の説明。
- 最近の説明。
- ウイルスの説明。
(第10版 救急救命士標準テキストp177、178)
問5
感染経路の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 水平感染とは人、環境などから、人へ伝播するような感染をいう。
- 飛沫感染とは飛沫が気化し、直径5μm以下の飛沫核となり、空中を浮遊し感染。
- 空気感染で生じやすい例としてインフルエンザが挙げられる。
- 接触感染とは咳やくしゃみ、会話などをきっかけに感染。
- 垂直感染とは感染源である人や動物、微生物との直接的な接触をいう。
解答と解説
【解答】1
【解説】
- 設問のとおり。
- 空気感染の説明。
- 空気感染で生じやすい例としては結核、麻疹、水痘など。
- 飛沫感染の説明。
- 接触感染の説明。
(第10版 救急救命士標準テキストp179)
問6
循環障害の種類と原因の組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ。
- 虚血 ・・・ 虚血による細胞の障害
- 出血 ・・・ 血管壁の損傷
- 浮腫 ・・・ 静脈の狭窄、閉塞、心不全
- 血栓 ・・・ 血管内での血液の凝固
- 塞栓 ・・・ リンパ管閉塞
解答と解説
【解答】2、4
【解説】
- 梗塞の説明。
- 設問のとおり。
- うっ血の説明。
- 設問のとおり。
- 浮腫の説明。
(第10版 救急救命士標準テキストp38)
問7
悪性腫瘍の主な治療法として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 手術療法
- 自然療法
- 化学療法
- 放射線療法
- 免疫療法
解答と解説
【解答】2
【解説】(第10版 救急救命士標準テキストp189、190)
問8
損傷と治癒の説明について正しいのはどれか。1つ選べ。
- 損傷の治癒過程は大きく、炎症期、増殖期、成熟期の3段階に分けられる。
- 炎症期をさらに出血凝固期と炎症期、細胞形成期に分けられる。
- 骨折の修復過程は大きく、カルシウムの生成、増殖期、再構築期の3段階に分けられる。
- 手術の切開創などは、組織の欠損が少ないため修復されやすく、速やかに修復される治癒をニ次治癒という。
- 修復期とは元の骨の形と力の方向に応じて強固な層板骨へと置換される時期。
解答と解説
【解答】1
【解説】
- 設問のとおり。
- 炎症期はさらに出血凝固期と炎症期に分けられる。
- 骨折の修復過程は大きく、炎症期、修復期、再構築期の3段階に分けられる。
- 手術の切開創などは、組織の欠損が少ないため修復されやすく、速やかに修復される治癒を一次治癒という。
- 再構築期(リモデリング期)とは元の骨の形と力の方向に応じて強固な層板骨へと置換される時期。
(第10版 救急救命士標準テキストp191〜193)
問9
救急業務において傷病者が明らかに死亡している判断基準として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 意識レベルがJCSⅢ-300
- 呼吸がない
- 瞳孔散大、対光反射なし
- 死後硬直または死斑
- 心静止
解答と解説
【解答】5
【解説】心静止は含まれない。(第10版 救急救命士標準テキストp195。196)
救急救命士国家試験 オリジナル問題(第3章 薬物と検査の基礎知識)
問10
医薬品の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 劇薬は毒薬より作用が強い。
- 毒薬は他のものと区別して貯蔵、陳列しなければならないが施錠はしなくても良い。
- アドレナリンは劇薬に含まれる。
- 毒薬は容器などに赤文字の商品名を赤色で囲った表示方法。
- 救急救命士が使用するブドウ糖溶液は一般用医薬品に含まれる。
解答と解説
【解答】3
【解説】
- 毒薬は劇薬より作用が強い。
- 毒薬は他のものと区別して貯蔵、陳列し施錠して保管することが規定されている。
- 設問のとおり。
- 劇薬の説明。
- 救急救命士が使用するブドウ糖溶液は医療用医薬品(処方箋医薬品)。
(第10版 救急救命士標準テキストp200、201)
問11
救急救命士が使用するブドウ糖溶液の説明について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 冷所に保存する
- 濃度は50%、20kcal
- 低張性脱水の患者にも効果が期待できる
- 処方箋医薬品
- 合併症に血管痛がある
解答と解説
【解答】4、5
【解説】
- 直射日光を避け室内(1〜30℃)で保管。
- 濃度は50%、40kcal、20ml
- ナトリウム欠乏により血清の浸透圧が低張なるため、水分量を増加させ症状を悪化させる。
- 設問のとおり。
- 設問のとおり。
問12
アドレナリンの説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- アドレナリン使用時の副作用として急激な血圧上昇、不整脈、心不全など生じる。
- α1作用し心拍数、心収縮力を低下させる。
- β2に作用すると血管が収縮し浮腫が進行する。
- アドレナリンは毒薬に含まれる。
- 救急救命士はCPAの患者に対して2分毎にアドレナリン1mgを静脈内へ急速投与が認められている。
解答と解説
【解答】1
【解説】
- 設問のとおり。
- α1に作用し末梢血管を収縮させ血圧を上昇させる。
- β2に作用し気管支を拡張させ喘息状態を改善させる。
- アドレナリンは劇薬に含まれる。
- 救急救命士はCPAの患者に対して3〜5分毎にアドレナリン1mgを静脈内へ急速投与が認められている。
(第10版 救急救命士標準テキストp205)
問13
乳酸リンゲル液の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 電解質濃度と浸透圧を細胞内液に近似させている。
- 救急救命士はCPA、低血糖、ショック状態の傷病者に対し使用可能。
- 救急救命士は乳酸リンゲル液を中心静脈路により投与できる。
- 乳酸リンゲル液は水分補給輸液製剤である。
- 外出血の傷病者に対して過量投与は有効である。
解答と解説
【解答】2
【解説】
- 電解質濃度と浸透圧を細胞外液に近似させている。
- 設問のとおり。
- 救急救命士は乳酸リンゲル液を末梢静脈路により投与できる。
- 乳酸リンゲル液は等張電解質輸液製剤である。
- 外出血の傷病者に対して過量投与は血液希釈などにより有害。
(第10版 救急救命士標準テキストp206)
問14
常時服用していると出血が止まりにくい薬物はどれか。2つ選べ。
- ワルファリン
- アスピリン
- シルデナフィル
- β刺激薬
- インスリン
解答と解説
【解答】1、2
【解説】
- ワルファリン:抗凝固薬のとして血栓の進行防止、予防・再発防止に用いられる。
- アスピリン:抗血小板作用があり血栓予防に用いられる。
- シルデナフィル:勃起不全の治療薬。
- β刺激薬:気管支喘息などの気管支攣縮状態に対する対処療法に用いられる。
- インスリン:血糖値を降下させ調節する注射薬。
(第10版 救急救命士標準テキストp207、208)
問15
検査の種類と説明について謝っているのはどれか。1つ選べ。
- CT検査とはX線管球絵を体軸中心に回転させながらX線を出す。
- 心電図検査とは心筋の微弱な電気活動をさまざまな角度から記録する。
- 内視鏡検査とは体外から器官の中にファイバースコープを挿入し内面を観察。
- 単純X線検査では骨の撮影のほか、胸部や腹部の状態を知るために用いる。
- MRI検査では心臓、腹部臓器、血管系が主な検査の対象になる。
解答と解説
【解答】5
【解説】超音波検査では、心臓、腹部臓器、血管系が主な検査の対象になる。(第10版 救急救命士標準テキストp211−214)
問16
救急医療体制について誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 救急搬送体制には消防機関による救急業務が含まれている。
- 救急搬送体制にはドクターカーによる診療と救急搬送が含まれている。
- 応急救護体制とは市民による応急手当てなどを指す。
- 病院に到着するまでの救急医療体制を病院前救護体制という。
- 現場に居合わせた市民による出血の手当は、病院前救護体制に含まれない。
解答と解説
【解答】5
【解説】解説:病院前救護体制は、居合わせた市民による救急現場での応急救護体制、消防機関を中心とした救急搬送体制などからなる。(第10版 救急救命士標準テキストp220)
問17
救命の連鎖について誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 救命の連鎖の始まりは心停止の予防である。
- 一次救命処置とは救急隊が到着するまでの間、遭遇した市民が実施する応急手当てなどである。
- 救急救命士が医師の指示のもと実施する特定行為は二次救命処置である。
- 心肺機能停止の状態の傷病者に対し、その場に居合わせたバイスタンダーの早期認識が重要である。
- 通報者に対し一次救命処置の口頭指導は救命の連鎖の要素の「一次救命処置」に当てはまる。
解答と解説
【解答】5
【解説】解説:通報者に対しての口頭指導は「心停止の早期認識と通報」に当てはまる。(第10版 救急救命士標準テキストp221)
問18
心停止の予防について誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 乳児の手の届かないところに物を置くのは心停止の予防である。
- 交通事故予防としてヘルメットを装着するのは心停止の予防である。
- 監視人がいなくても足が着くプールのため心停止の予防に当てはまる。
- 胸痛を認めたため早期に病院受診するのは心停止の予防である。
- 心停止の予防とは、心停止や呼吸停止となる可能性を未然に防ぐこと。
解答と解説
【解答】3
【解説】心停止の予防とは、心停止や呼吸停止となる可能性のある傷病者を未然に防ぐことである。(第10版 救急救命士標準テキストp221)
問19
消防機関が行う応急手当ての普及に関わる講習と内容の組み合わせについて正しいのはどれか。1つ選べ。
- 普通救命講習Ⅰ・・主に小児・乳児・新生児に対する救命に必要な講習。
- 普通救命講習Ⅱ・・普通救命講習ⅠにAEDに関する知識確認と実技評価が加わった講習。
- 上級救命講習・・普通救命講習の内容に異物除去法、大出血時の止血法、外傷の手当てなどが含まれる。
- 救命入門コース・・AEDの使用を含む成人に対しての心肺蘇生法などの講習。
- 応急手当指導員講習・・普通救命講習の指導にあたる応急手当て指導員を養成する講習。
解答と解説
【解答】2
【解説】解説:
- 普通救命講習Ⅲの内容。
- 設問のとおり。
- 上級救命講習とは、普通救命講習の内容に小児・幼児・新生児に対する心肺蘇生法、傷病者管理法、外傷の手当て及び搬送法の講習。
- 普通救命講習Ⅰの内容。
- 応急手当普及員講習の内容。
(第10版 救急救命士標準テキストp222)
問20
救急救命士が実施する特定行為の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- ラリンゲアルマスクによる気道確保は、心臓機能停止または呼吸機能停止の状態のいずれかの場合に適応。
- アドレナリンの投与は心臓機能停止または呼吸機能停止状態が適応。
- 救急隊員が行った応急処置を救急救命処置という。
- 医師が個々の傷病者の医学的状況に基づいて行う指示を包括的指示という。
- 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液は心臓機能停止状態が適応。
解答と解説
【解答】1
【解説】
- 設問のとおり。
- アドレナリンの投与は心臓機能停止状態が適応。
- 救急救命士の資格を持った救急隊員が行った応急処置を救急救命処置という。
- 医師が個々の傷病者の医学的状況に基づいて行う指示を具体的指示という。
- 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液は心臓機能停止または呼吸機能停止状態のいずれかが適応。
(第10版 救急救命士標準テキストp222、223)
問21
救急医療機関の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 救急医療についての知識および経験を有する医師が随時診療に従事していること。
- 二次救急医療機関はすべて救急告示病院である。
- 初期救急医療機関とは入院を必要とする重症救急患者の医療を担当。
- 都道府県知事が認定し酷似した病院を救急告示病院という。
- 三次救急医療機関の役割として救急救命士へのメディカルコントロールなどの教育は含まれない。
解答と解説
【解答】4
- 救急医療についての知識および経験を有する医師が常時診療に従事していること。
- すべての二次救急医療機関が救急告示病院として認定されているわけではない。
- 二次救急医療機関の説明。
- 設問のとおり。
- 三次救急医療機関は救急救命士へのメディカルコントロールや、救急医療従事者への教育を行う拠点。
【解説】(第10版 救急救命士標準テキストp225)
問22
メディカルコントロールの説明について正しいのはどれか。1つ選べ。
- 消防機関が行う救急業務を医学的に保証するものである。
- メディカルコントロール協議会では通信指令員が行う口頭指導の検証は行わない。
- メディカルコントロール協議会の協議内容に救急隊員に対する指導・助言は含まれない。
- プルトコールの作成はメディカルコントロール協議会の救急救命士が中心となり作成する。
- 事後検証は指導救命士が行った観察・処置などを検証する。
解答と解説
【解答】1
【解説】解説:
- 設問のとおり。
- 通信指令員が行う口頭指導も検証の対象である。
- メディカルコントロール協議会の協議内容に救急隊員に対する指導・助言体制の調整に関することが含まれる。
- プルトコールは、国から示された標準的なプロトコールを元に、各地域の医療機関の分布や機能などの実績に合わせ、メディカル協議会のメンバーを中心に作成。
- 事後検証は医師が医学的な立場から検討することによって行われる。
(第10版 救急救命士標準テキストp228 −231)
問23
多数傷病者の対応として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 最先着隊は傷病者の救助活動を優先する。
- 最先着隊の隊長は現場で暫定的に指揮をとる。
- 最先着隊はMETHANEに沿って初動に必要な活動をとる。
- CSCATTTの最初の“C”とはコミュニケーションである。
- 現場で救助者、現場の安全確保が担保されていたため活動を開始した。
解答と解説
【解答】2
【解説】
- まずはCSCAの確立が優先される。
- 設問のとおり。
- 最先着隊はCSCAに沿って初動に必要な活動をとる。
- CSCATTTの最初の“C”とは指揮命令と連絡調整。
- 3S(self、scene、survivor)が担保されなければ救助活動を行わないのが原則。
(第10版 救急救命士標準テキストp234、235)
問24
腎臓とその役割について正しいのはどれか。1つ選べ。
- 糸球体で生成された原尿から、生体に必要な物資の再吸収は遠位尿細管で80〜85%再吸収される。
- 腎臓は腹膜腔に存在する臓器である。
- 腎臓には約1〜1.2L分の血流量がある。
- 成人男性の尿道は10〜15cmである。
- 腎臓は第5腰椎高さにある。
解答と解説
【解答】3
【解説】
- 糸球体で生成された原尿から、生体に必要な物資の再吸収は近位尿細管で80〜85%再吸収される。
- 腎臓は後腹膜腔に存在する臓器である。
- 設問のとおり
- 成人男性の尿道は16〜18cmである。
- 腎臓は第12胸椎から第3腰椎高さ。
(第10版 救急救命士標準テキストp129〜130)
問25
内分泌器官と分泌されるホルモンの組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。
- 下垂体前葉 ー 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
- 甲状腺 ー 甲状腺ホルモン
- 副腎 ー 上皮小体ホルモン
- 副甲状腺 ー コルチコイド
- 膵臓(ランゲルハンス島) ー ノルアドレナリン
解答と解説
【解答】1、2
【解説】
- 設問のとおり
- 設問のとおり
- 副腎 ー 副腎皮質ホルモン(コルチコイド)、副腎髄質ホルモン(カテコラミン)
- 副甲状腺 ー 副甲状腺(上皮小体)ホルモン
- 膵臓(ランゲルハンス島) ー インスリン、グルカゴン
(第10版 救急救命士標準テキストp139〜142)
問26
ホルモンとその作用の説明について正しいのはどれか。1つ選べ。
- 副腎髄質ホルモン ー コルチゾールを分泌し糖代謝の調節などを行う。
- 副腎皮質ホルモン ー ノルアドレナリンを分泌し抹消血管収縮による血圧上昇作用。
- 甲状腺ホルモン ー 血中カルシウム濃度を維持。
- 副腎髄質ホルモン ー 心拍数を増加させるアドレナリンの作用を増強。
- 抗利尿ホルモン ー 腎尿細管での水分再吸収を促進。
解答と解説
【解答】5
【解説】
- 副腎髄質ホルモンから分泌される代表的なホルモンはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンで総称してカテコラミンという。
- 副腎皮質ホルモンで分泌されるホルモンを総称してコルチコイドといい、アルドステロン、コルチゾールなどがある。
- 甲状腺ホルモンは中枢神経系、身体成長、体温調節作用、交感神経活性への作用など。
- 心拍数を増加させるアドレナリンの作用を増強させるホルモンは甲状腺ホルモン。
- 設問のとおり。
(第10版 救急救命士標準テキストp139〜142)
問27
血球の種類と役割、機能について誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 赤血球は肺で空気中に含まれる酸素を取り込み、全身臓器へ酸素を運搬する。
- 赤血球の寿命は80〜120日である。
- 血小板の寿命は8〜11日である。
- 白血球の寿命は赤血球と比べ長い。
- 好中球は最近感染症や炎症の初期に組織へ移行し、細菌・異物の貪食・処理にあたる。
解答と解説
【解答】4
【解説】白血球の寿命は赤血球と比べ短い。(第10版 救急救命士標準テキストp143〜145)
問28
免疫の役割について誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 食細胞は血液中に微生物が侵入してくると、微生物を識別し、細菌、ウイルスを貪食する。
- ナチュラルキラー細胞は最近の他に腫瘍細胞やウイルス感染症などを破壊する。
- マクロファージは最近や異物を貪食し処理する。
- 胃酸などの防御耐性は後天免疫に含まれる。
- 獲得免疫とは、高原の侵入を受けた結果、その抗原に対して特異的に成立する免疫。
解答と解説
【解答】4
【解説】胃酸などの防御耐性は自然(先天性)免疫に含まれる。(第10版 救急救命士標準テキストp149)
問29
脊柱の説明について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 脊椎は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎からなる。
- 脊柱は力学的負荷を全脊椎分散するために生理的直線である。
- 胸椎は重い上半身を支えるため大型である。
- 椎体と椎体の間には椎間板軟骨が存在する。
- 椎体、椎弓根、椎弓に囲まれた空洞に脊髄が通る。
解答と解説
【解答】4、5
【解説】
- 脊椎は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎と仙骨からなる。
- 脊柱は力学的負荷を全脊椎に分散するために生理的彎曲である。
- 腰椎は重い上半身を支えるため大型である。
問30
皮膚の構造で正しいのはどれか。1つ選べ。
- 皮膚は上層から順に表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されている。
- 表皮は外力などの衝撃によるクッション機能がある。
- 真皮の役割として貯蔵脂肪による断熱効果などがある。
- 皮下組織は乳頭層、乳頭下層、網状層3層からなる。
- 表皮は皮膚と筋肉を緩く連結し、両方の運動がスムーズに行えるように働いている。
解答と解説
【解答】1
【解説】
- 設問のとおり。
- 皮下組織の説明。
- 皮下組織の説明。
- 真皮の説明。
- 皮下組織の説明。
(第10版 救急救命士標準テキストp155、156)
問31
栄養と代謝の説明について正しいのはどれか。1つ選べ。
- 栄養素は5種類に分類され、糖質、脂質、ビタミンは3大栄養素と呼ばれる。
- 脱水、アシドーシス、高体温などの内部環境が崩れることをホメオスターシスという。
- 細胞外液の浸透圧が下がった場合、恒常性を維持するためにADH分泌により水分を保持する。
- 人体のPHの調整は膵臓で行われる。
- 十分な酸素が供給されない状態で行う代謝を脂質代謝という。
解答と解説
【解答】3
【解説】
- 栄養素は5種類に分類され、糖質、脂質、蛋白質を3大栄養素と呼ぶ。
- ホメオスターシスとは外部環境の変化から細胞機能を守ることをいう。
- 設問のとおり。
- 人体のPHの調整は血液自体がもつ緩衝能力、肺、腎臓により調節。
- 十分な酸素が供給されない状態で行う代謝を嫌気性代謝という。
(第10版 救急救命士標準テキストp159〜162)